出村界隈

思案橋から永正寺 出村界隈 ちょっとお散歩

日和山・出村界隈案内図

桜町と竪町の間に、思案橋という辰巳川にかかる小さな橋があります。この橋の先が、旧丸岡藩滝谷出村です。
「行こか戻ろか思案橋」、長崎の丸山遊郭ほどではありませんが、江戸寛政年間には遊女百人を擁した遊郭街として栄え、昭和初期までその賑わいは続きました。
思案橋から少し歩いて、路地を右に入り少し歩くと、右手に見返り橋があります。
同じく辰巳川にかかる小さな橋で、ここは出村の遊郭街から帰る道すがら、その名残を惜しんで見返った事からその名がついております

また左へ曲がって少しの所に、平成十三年に惜しまれつつ閉店した「旧たかだや」があります。
疎開の為昭和十九年から五年余り三国に滞在した漂白の詩人三好達治をはじめ、多くの文人が愛し好んで訪れた料亭として有名です。
「旧たかだや」から少し歩いて、左へ曲がると明治大正の雰囲気を醸し出してくれる料理茶屋にして登録文化財の「魚志楼」があります。
敷居が高そうに見えますが、女将さんは気さくな方で、お昼のランチ は、御手軽に出村情緒を感じられます。

振り返ると神楽建ての屋根越しに、龍翔館が見え三国の栄華を感じられる一コマです。

また付近には神楽建ての家も多く残り、路地を入ると、小さな弁天さん、坂を登ると地蔵堂もあり、心地よい懐かしさを感じさせてくれます。
魚志楼から九頭竜川に向かって少し歩き、左へ曲がって四軒目が、出村ギャラリーです。
平成20年5月には「三国湊の工芸展」6月には「早崎大司郎展」を開催、 折に触れ企画展を行っております。
2階は常設のミニギャラリーになっており、安島新保など三国の刺子と出村周辺の引き札を展示しております。
近藤古美術店に予約すれば見学可能です。
出村ギャラリーを出て右に50mほど歩くと
高浜虚子の「虹」の舞台、森田愛子ゆかりの虹屋跡、
平成29年4月虹屋スクエアとして生れ変りました。
三国の工芸品や、虹屋関連の資料を展示しています。
屋外には北前船の大錨も設置しています。

その二軒隣に弊店 旧煙草元売捌所の「近藤屋」があります。 懐かしい商家の帳場の他、昭和初期の煙草の価格表などがみられます。
現在は古美術店の店舗として使用しております.。 又ここの中庭には、コロコロと心地よい音を奏でる水琴窟が現存し、
蔵の中には三国箪笥を中心とした小さな資料館もあり、
完全予約制コーヒー付きで一般公開されています。
出村廻り

近藤古美術のちょっと先に、「永正寺」があります。
ここは、遊女にして俳人の豊田屋哥川の菩提寺として有名です。
少し歩くと御蔵町、丸岡藩の米蔵が並んだことから、この名前が付けられました。

「旧たかだや」と「永正寺」には、三国湊魅力づくりPJの一環で、設置された笏谷石の謂書が、
又「旧たかだや」と「虹屋スクエア」には、みくに歴史を生かすまちづくり推進協議会が平成20年(5ヶ所中の2ヶ所)設置した、
三国詩歌文学館(謂書)もありますので是非ともご覧下さい

「三国詩歌文学館」「笏谷石の謂書」はクリックすると拡大して読む事ができます。