日本の時代箪笥

− 産 地 編 −

名前産地特徴写真
三国箪笥福井県坂井郡三国町 欅で車付と無し、一段と二段重ねがあり、車付には大型で立派なモノが多い。 一般的には、上部に二つの大引出しがあり、右下に片開戸、左下に中引出しがある。 上下とも閂が付いているのが特徴。赤みの強い木地呂塗仕上げと、洗練された飾り金具も大きな特色。 又、小木箪笥の影響を受けた船箪笥も有名です。
仙台箪笥宮城県仙台市 材料は欅又は栗、内部、側面、背には、杉、桐が使われている。 引手には、木瓜が使われ、鳳凰、孔雀、竜、牡丹、唐獅子といった図柄を彫刻した豪華な金具が、木地呂塗に映えます。 一般に横長で、一番上に大引出し、その左下に中引出し(初期は閂付)、右下に小引出しと片開戸がついているモノが多い。
二本松箪笥福島県二本松市 欅、杉、栗、桐の箪笥がある。一般に2つ重ねで、4つか5つ引出しが付いており、引手は大ぶり。 錠前の穴を、金色の亀や雲、打出の小槌の金具で隠しているモノもある。
庄内箪笥山形県酒田市・鶴岡市 桐、杉などの黒漆塗と、欅の拭き漆仕上げの2種類が有名。 黒漆箪笥は、蕨手で、松竹梅鶴亀などの打出しの装飾金具が多く付いており、鉄部は赤みがかっている。 欅箪笥は、金具は分厚く抽象的な図柄、引手も角手が多い。
米沢箪笥山形県米沢市 丸型の金具に特徴あり、桜や蝶などがデザインされている。 2つ重ねで、上部の右に小引出しと片開戸、下部は大引出しが2つという形が多い。
佐渡・小木箪笥新潟県佐渡小木地方 船箪笥最大の産地で、木工と金工の優れた技術による豪華なモノが多い。 2つ重ねで、上下とも2つの引出しがあり、右側に小引出し、片開戸がついているモノもある。 前板には、欅の最高の玉杢を使い、黒鉄の金具は厚くて大きく、抽象的な曲線の雲形がなどが多い。
佐渡・八幡箪笥新潟県佐渡八幡地方 小木箪笥と形状は似ているが、八幡は桐、杉などに漆をかけた前板が多い。 金具に特徴が有る。薄く直線的で、目出たい図柄(高砂、鶴亀、松竹梅など)を透かし掘り、 箪笥全体に占める割合が大きく派手である。
新潟箪笥新潟県新潟市 欅をふんだんに使った帳場箪笥に特徴あり。 金具は少な目だが、太い桟が前横だけでなく裏面まで隙間なくついている。
金沢箪笥 石川県金沢市 衣装箪笥は桐で、黒漆塗りと素木の両方がある。代表的なモノは、高さ3尺5寸で5つ引出しに、 下方が膨らんだ閂が付いている。帳場箪笥には、車付きが多く、車を前から見えない様に隠してあるデザインで、 前、横、後に細い桟が付いている。
近江箪笥 滋賀県近江地方 水屋箪笥が有名。一間半ほどの大きいモノから、3尺ほどの小さいモノまである。 檜の紅殻塗りや、欅の漆塗りに、細かい縦桟の竹簀戸に特色がある。 又この地方は仏壇の大産地で、その技術が生かされている。

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